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美味しい料理とは一体なにか？
おいしいとは、“美味”と書く。
つまり、味が美しいのだ。
ところが、本来、
味覚には、“美しい”はない。
だから、実は、
“美味しい”には、視覚の要素が
含まれている。
というか、
“美味しい”には、
味覚・視覚・嗅覚・触覚・聴覚の
五感すべてが入っているのだ。
人は、五感すべてを使って、
美味い料理を“美味い”と感じて
いるわけである。
しかも、
食べる際に五感で感じたことが
感情(感動)を呼び起こし、
それを脳がかみしめている。
以下、本文に続く
客単価アップ－メニューの基本販促技
美味しい料理とは五感と感情に訴えかけるもの
人が五感から受け取る情報は、
均一ではない。
・視覚：83％
・聴覚：11％
・触覚：1.5％
・味覚：1.0％
・嗅覚：3.5％
このくらい差がある。
とはいえ、
お客の五感すべてにアピールし、
なおかつ、
感情を満足させるものが、
美味しい料理なのである。
感情は感動と言い替えてもいい。
味の良いことだけが、
美味しい料理の条件ではない。
しかも、
「感情を満足させる」ことが、
食事の価値を最終的に決定する。
ここで、
ひとつ考えて欲しい。
誰だって気分の悪いときは、何を
食べてもあまり美味くないはずだ。
なので、できれば、
店に入ってきた瞬間から、
お客の感情に働きかけて、
食べる前に客の気分を良くさせ、
旨さの期待感を盛り上げることも、
美味い料理を提供することの一部
なのである。
少なくとも、嫌な気分にさせない
のは、最小限度のお仕事である。
整理すると、
五感＋感動が、美味い料理の
キーポイントになる。
人の想像力は五感と感情を刺激
人は美味そうなものを見るだけで
過去に似た料理を食べた時の記憶
(感情)が脳裏に蘇る。
すると、
視覚中枢だけでなく、
五感の中枢すべてが刺激される。
また、
ステーキを焼く時のジュージュー
いう音のことを”シズル”というが、
シズルを聞くだけでステーキを
食べた幸せな感情とともに、
口の中に唾が湧き出してくる。
梅干しを見たら、
口の中が酸っぱくなり、
唾が湧いてくるのと同じである。
ただし、
梅干しを食べて幸せな感情に
ひたれるかどうかは別だが…。
ともあれ、
食べる前に、料理を五感で
演出できれば、
お客の期待感を大いに盛り上げる
ことができる。
食べる前に料理を視覚で演出する
要するに、
見た目を良くすることだ。
色鮮やかにしたり、
光の三原色を選んだ食材にしたり、
艶やかにしたり、
立体感を出したり、
普通の家庭料理のようにはしない
何かの工夫が必要となる。
家庭料理を店のウリにしている
場合でも、何かしら非日常感の
演出がなければ、
お客がわざわざ食べに来てくれる
理由がなくなる。
もしも、
その理由が料理によるものでない
ならば、その解明は別の記事に
譲ることとしたい。
さて、
あなたも料理の関係者なら、
フランベを知っているだろう。
調理の最後にブランデー、ラム等
アルコール度数の高い酒を、鉄板
の上に落とし、
一挙にアルコールを飛ばす調理法
である。
主に、最後の香り付けのために
使用されるが、
お客に非日常を楽しんでもらう
視覚パフォーマンスとして極めて
ポイントが高い。
食べる前に料理を聴覚で演出する
シズルを演出するなら、
鉄板焼きがいい例だろう。
ステーキやハンバーグを皿で出す
よりも、鉄板焼きにするだけで、
お客にシズルを提供できる。
いま仮に、
チャーシューメンを
お客に出すとして、
ラーメンとチャーシューを
別々にして客の前まで運び、
鉄板に乗ってジュージュー音が
しているチャーシューを、
客の目の前でラーメンの上に
載せたらどうだろう。
だから、
ラーメンでもシズルを提供できる。
食べる前に料理を嗅覚で演出する
これは、なんと言っても、
焼き鳥屋の店先で、煙パタパタに
尽きるだろう。
私は小さい頃、長距離の寝台列車に
乗る機会が多かったが、
食堂車の独特の臭いには堪らない
思い出がある。
もちろん、
普通のレストランに入っても
何ともいい臭いがするが、
食堂車には、幼い頃の思い出が
いっぱい詰まっている。
家路を急ぐ帰り道に、
あっ、この家はカレーだ！とか、
サンマの塩焼きだ、とか、
通りすがりの家の夕飯を感じる人
も多いはずだ。
今日の晩ご飯は何だろう？と、
きっと、帰りの足を速めたのでは
ないだろうか。
嗅覚の記憶は、とても情緒的だ。
だから、
これを使わない手はない。
以上、
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